忘れたころに読まれたい物語

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 この物語は、とりあえず書いていくだけなので続く保証はない。 それでも読んでくれる人がいるなら書きましょう。    海の近くにあるこの家で、私はただゆっくり時が流れていくのを寂しく思いながら、特に何かすることもなく毎日を過ごしていた。 決して過去のことを思い出してなんか…。 思い出していた。 十年前の後悔まみれのあの日、言えなかった言葉。 何度も夢の中では君に会えるのに、この体じゃ二度と会えない。 あの時とはもう違うから。  〜十年前〜  あの日は夏休みだった。 まだ幼い私は君にたった一言伝えず来るかわからない明日というやつを信用しすぎていた。 「あのね、私は君に言わないといけないことがあるの。でもまた明日話すね」 その日までは、別に終わりとか最後とかって言葉とは遠い場所にいるつもりだった。 なので、明日もいつも通り来る、明日も君と僕はここでいつも通り笑ってると思い込んでいた。 その思い込みは自分自身を苦しめた。 家に帰ってからも君のことをたくさん考えながら、君からもらっったくまのぬいぐるみと一緒に寝た。  次の日、いつも起きる時間より三十分も早く起きた。 その時には既に遅かったのかな。 今日は特別な日になるから、そんなことを母に話しながらとっておきのワンピースに着替える私。 父も母も可愛いと言ってくれたのでドキドキしながら朝ご飯を食べて、最高にかわいい私で君との待ち合わせ場所に行くと、そこにいたのは、君ではなくて別の人だった。    別の人は、私に一通の手紙を渡してくれた。 十年経った今も、私はその手紙を読めていない。
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