2.居残りと匂い

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放課後になると、えっちゃんが気まずそうに話しかけてきた。 「美桜、本当に大丈夫?やっぱり一緒に残ろうか、?」 こんな時まで優しいえっちゃんは女神に見える。 「ううん、悪いのは私だし大丈夫だよ!えっちゃん大会近いんでしょ、部活頑張ってきてね!」 本当はいてほしいけど、親友だからこそ甘えられない。 それにテニス部は1週間後には大会が控えていて1年生ながらもえっちゃんは出場するのだ。 「そっか、頑張ってね!なんかあったら言って、関本先生に文句言ってやるから!」 「文句なんてそんな、大丈夫だよー?私えっちゃんのこと応援してるからね。」 えっちゃんはありがとうと言って部活へ行ってしまった。 私も頑張ろうと、とりあえずもらったプリント冊子を開く。 「これ、今日中に終わるかな、?」 グダグダしてても終わらないと思い、私は嫌々ながらもプリントを進めた。
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