2.居残りと匂い

5/15
前へ
/55ページ
次へ
しかしそんな考えも杞憂に終わった。 「あー、もしかして量多すぎた?ごめんごめん。」 素直に謝られたことに私は安堵の息をもらした。 「いや、私の頭の容量が悪いせいなので気にしないでください。それにわざわざプリント作ってくれてありがとうございます。」 私の一人のためにプリントまで作ってくれたのだから逆に感謝すべきだ。 すると先生は一瞬目を見開き、微笑んだ。 「まさか感謝されるとは。全然明日でもいいけど、、じゃあわかんないところ教えるからちょっとやってくか。」 え、ここで、? この狭い密室で教わるのは緊張する…。 でも先生のご好意を無下にするわけにはいかないし。 「では、先生もお忙しいと思うので少しだけ、お願いします。」 結局私には一つの選択肢しか残されていなかった。 「了解、じゃあそこのソファ座って。」 そう言って先生はテーブルの上にあった書類や本を片付けてくれた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加