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高校の入学式、といえば新しい環境に不安でドキドキだったり、恋や友情といった青春にワクワクしたりするのだろう。
私、神崎 美桜(かんざき みおう)の場合は後者である。
正直昨日は先のことを考えすぎて寝不足気味になっているくらいだ。
私は大きなあくびをしながら学校までの桜並木を歩く。
すると後ろから馴染みのある声が聞こえた。
「美桜ー!おはよう!!今日はついに入学式だね。」
「おはよう、えっちゃん!私なんて緊張で寝不足だよー。」
えっちゃん、野本 恵那(のもと えな)は中学からの友達で私の唯一の親友でもある。
朝から元気なえっちゃんは、高校生活に憧れていて今日を待ち望んでいたらしい。
「寝不足!?美桜の美しいお肌が荒れちゃうじゃない!私は逆に楽しみすぎて寝れたわ。おかげでバスもちゃんと間に合いました。」
「私もえっちゃんみたいにもっと楽しみにできたら、、。」
はぁ、とため息をつくと、えっちゃんは私の背中を叩き、大丈夫だよ!と言ってくれた。
それだけで私はなんだか頑張れそうな気がしたのだから、えっちゃんには敵わない。
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