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私は何も聞こえなかったふりをして、手元にある資料を眺めていた。
「んー、終わったー。やっぱ関本先生は硬い先生だわ。」
HRも終わりあとは帰るだけとなった。
「しょうがないよ、学校のことについての説明だったし。」
そうだけど、と何か言いたげなえっちゃんであったが結局言葉にはしなかった。
「そーいえば、美桜は高校部活何に入るのー?やっぱり美術部継続?」
「うん、そうしようかなって思ってる。せっかく続けてきたんだしもったいないなーって。えっちゃんはテニス部に入るの?」
幼少期から絵を描くことが好きだった私は中学生の時から美術部に所属していた。
絵を描いている時間は嫌なことを忘れ、自分だけの世界に入り込むことができる。
そんな私とは対照的にえっちゃんはテニス部に所属していて部のエースだった。
「もちろん!だから今から部活体験行くんだー!」
ラケットを抱きしめるえっちゃんは本当にテニスが好きなんだなと思った。
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