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Prolog.
まだ子供だった。
大人ぶって、子供扱いされたら怒って。
今思えばその小さな反抗心さえ、自分が子供だったのだと感じさせる。
ねぇ、先生、私は少しでも成長することができたのでしょうか。
答えが返ってくるわけでもないのに、行き場のない問いを投げかける。
すると、返事を返すように桜吹雪が舞いわたしを包み込んだ。
「わ、今年の桜は早咲きだな。」
そんなことを考えながら髪に付いた桜の花びらを手に取ると、あの言葉とともに、あの頃の記憶を思い出す。
「お前は美しい桜と書いて美桜だろ?なら、自分自身を立派に開花させてみろ!大丈夫、お前ならできるよ。」
そう言って微笑む彼は、太陽よりも輝いていた気がした_________
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