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「如月!」
隣を歩いている委員長とくだらない話をしていると後ろから声がして振り返る。息を切らした会長を筆頭に生徒会メンバーがこちらへ走ってくる。
「っ、はあ、如月…はぁ、大丈夫か…。ちょうど俺たち、はぁ、外にいたからすぐ行けずに悪い…はぁ。」
「ちょ、大丈夫ですからとりあえず落ち着いて息整えてください。どれだけ本気で走ったんですか…。」
それからおよそ30秒程すると会長はもう息を整えたらしい。驚異の回復力だな…。
改めて俺を見た会長は隣に立つ委員長を見て眉間に皺が寄る。
「先程の件は一応もう耳に届いているがなぜお前がここに、如月と一緒に居る?お前は処罰を下しに行っていると思ったが?」
「そちらは俺の優秀な風紀に任せた。なにを勘違いしてるのか分からないが俺はこいつを捕まえたからルールに乗っ取って体育館へ向かっているんだが。それに今は被害にあったこの生徒のアフターケア中だ。」
‘こいつ’ と言いながらポンッと俺の頭に手を乗せ、俺の腕から抜き取った黄色い腕章を見せつけるように軽く掲げる。
「チッ…いちいち腹立つ野郎だな。」
今にも戦争が始まりそうな勢いで睨み合う1人vs 5人。
「はぁ…なにをそんなに険悪な雰囲気になってるんですか?私は特に怪我等もしてませんし風紀が処分を下してくれます。とりあえず私は捕まってしまったので体育館へ向かいますが一応鬼ごっこはまだ続いています。先輩方は引き続き見回りと鬼ごっこを継続してくださいね。」
俺が話し始めるとパッと睨み合いをやめて俺に視線が集中する。
「……如月、これが終わったら後で生徒会室へ来い。」
「琉姫ちゃん…また後でねっ」
「また…あと、で」
「「もうっ、るーちゃん!」」
「その人には、」
「気をつけてねっ」
渋々といった様子でみんな走り去っていった。
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