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4人で久保田さんの部屋に戻ってすぐに紘介が
「なんだよ。あの人。少しくらい協力してくれたっていいのに。ねぇ、久保田さん。」
「えっと…。そうね。」
と久保田さんは困ったように答える。
「いや、冷静に考えたら個人情報だしおかしくないだろ。まぁ、態度はもう少し協力的でもよかったかもしれないけどな。」
と新が少しイライラしながら答える。
「新の言う通りだ。だが、なにか隠してる気がする。」
「金を受け取ってるとかだな。」
と新が答えるが、確証はなく黙ってしまう。
「とにかくこれで、確かめる術がなくなっちゃったね」
と紘介が痛いところを指摘する。
「入り口で監視してたら、あの管理人が俺らのことを警察に通報しそうだしな。」
と新が冗談っぽく言う。
「冗談にならないだろうな。とりあえず、今日はこのまま来るか待たせてもらおう。そして、その間にまた作戦会議だ。」
「いいこと思いついた!ってか最初から来週のクラブW杯の試合の時にロッカーで聞けばいいんじゃね?」
と紘介が立ち上がって興奮したように話し出す。
「試合前の選手に何で借金の取り立てが家に来てるんですか?ってか。」
と新が呆れたように言う。
「はは。無理だ…。」
と紘介が力なく答える。そこに久保田さんが
「観に行くのは来週の試合だったんですね。」
「そうなんです。なので、来週の日曜は張り込みはできないです。」
と俺が頭を下げる。
「私こそ迷惑なこと頼んですいません…。」
と謝る。
「気にしないで。依頼は最後までやりますよ。協力はお願いしちゃうんで迷惑だったらそれこそ言ってください。」
「あ、いや…。迷惑だなんて、そんな…。次、来たら連絡しますね。」
「よろしくお願いします。」
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