The first time

6/13
前へ
/79ページ
次へ
            3  俺らは、久保田さんの家を後にした翌日、いつもの部室で次の手立てを考えていた。 「管理人の協力が見込めないとなると、あとは久保田さんを頼りにするしかないな…。」 と新が呟く。 「うーん。」 と紘介は曖昧な返事をする。それもそのはず。紘介は、YouTubeで園村選手の名プレーを探しては見ていた。 「あそこは角部屋だから、困って訴えるのは久保田さんの家くらいだとしても、普通そんな怪しい奴らが出入りしてるのが分かったら、管理人としては嫌だよな。」 と俺が新に向けて言う。新も頷きながら、 「あの管理人はちょっと非協力的すぎだよな。」 「管理人が開けている、又は見て見ぬ振りをしてる可能性はあるよな。」 「金か…。それとも脅されてるのか…。」 「いずれにしよ、もう少し調べたいが、確実に俺らは警戒されてるもんな。」 「近くにカフェでもあれば、刑事みたいに張り込みするのにな。」 と新が冗談混じりで呟く。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加