The first time

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 そこにノックが響く。 「お、立て続けに依頼か?」 と新が少し重い腰を上げて、ドアを開けに行く。ドアを開けるとそこには、久保田さんと清水さんが立っていた。 「こんにちは。昨日ゆりがお世話になったみたいで!その後、いい作戦はできたかなと思ってきちゃいました。」 とあっけらかんと清水さんが言ってくる。 「ちょうど聞きたいこともあったので、ありがたいです。どうぞ座ってください。」 と促す。紘介は一旦動画を止めて、 「ずっきーとゆりゆり、こんにちは。」 と挨拶をする。清水さんが一度驚くが、すぐに笑いながら 「そのずっきーって私のこと?」 「そう!あ、嫌だった?俺名前覚えるの苦手でさ、あだ名つけちゃうんだよ!」 「私達は別に構わないよね。」 と清水さんが久保田さんの方を向くと、久保田さんは少し呆気にとられながら一拍置いてから慌てて頷いていた。 「じゃあ、お茶入れるよ。」 と紘介は動き出す。新が、 「本当に人との距離感もバカなんで、嫌なら遠慮せず言ってくださいね。」 とフォローすると、すかさず、 「俺はバカじゃないし。」 と紘介が弁解している。そのやりとりには、さすがに久保田さんも笑っていた。
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