The first time

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「でも、相澤くんと髙橋くんのことはあだ名で呼ばないの?」 と清水さんが聞くと、紘介は嬉しそうに 「そりゃあ、もう幼稚園の頃からの幼なじみだからね。名前も覚えたし!」 「んなことで、ドヤ顔するんじゃねぇ。」 と新が冷たく言い放つ。 「なんでよ。俺はまだあーくんって呼んでもいいんだよ。」 「それは、一生やめろって言ったろ。」 「まぁ、紘介が名前を覚えたのもありますが、あーくんとりゅうりゅうはさすがにキツくてね…。」 と苦笑いしながら俺が説明する。もう清水さんは大爆笑だった。久保田さんも笑っちゃいけないと抑えているようだが、抑え切れてはいなかった。 「新が怒ると本当に怖いんだもんな…。」 と呟きながら、お茶を二人に渡してくれる。そして、そそくさと定位置に戻りまたYouTubeを見始めた。それを見て久保田さんが 「自由だね。」 とボソリと呟く。そこに新が 「存在しないもんだと思ってください。」 と言い放つ。清水さんはまだ笑いが止まらないようで、口元を手で抑えている。  俺は改めて椅子を座り直して、 「色々質問してもいいかな?」 と聞くと、久保田さんは一度清水さんの方を見てから頷く。 「まず、あの管理人さんだけどいつもあんな感じで無愛想なの?」 「うーん。挨拶もしてくれるし…。感じのいい人だと思ってたけど。」 「私が遊びに行った時も、挨拶してくれたし、たまたま物を落とした時もすぐ助けてくれたわよ。」 と清水さんも付け足して説明する。
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