DCトリオ

1/8
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ

DCトリオ

            1  「隆二、これ見ろよ。」 と言って、新が一冊の週刊誌を渡してくる。そこには大きな見出しで『また”黒い向日葵”か?』と書かれている。 「今年に入って何件目だ?」 「確か、6件だ。」 「また、手がかりもなしか…。」 「あぁ。首筋一閃。手口が一緒で痕跡は残さない。」 「いつからか”黒い向日葵”って言われるようになったな。」 「ちゃんと意味があるらしいぞ。向日葵は…」 と新が言いかけたところで、ドアが凄い勢いで開く。  「当たったー!当たったぞー‼︎」 とドタバタと紘介が飛び込んでくる。 「隆二、新。当たったよ。やばいよ‼︎」 「本当にお前はいつもうるさいな。静かに入ってこれないのかよ…。」 新が呆れた顔で言う。 「いや、いつもうるさいかもしれないけど、今回はやばいって。当たったんだよ‼︎」 「さっきからそれしか言ってないって。」 少し苦笑いで先を促す。 「ごめん。ちょっと落ち着く。でも、お前らも聞いたら叫ばずにはいられないよ…。」 「もったいぶんなって。どうせアプリでなんか当たった程度だろ。」 と新が冷たく言い放つ。 「いいのかな。俺にそんな風に接して。これを聞いたら後悔するぞ。」 紘介がニヤニヤと意地悪そうな顔をする。 「俺も知りたいから教えてくれ。」 「しょうがないな。聞いて驚け!今度のクラブW杯決勝は横浜マリノス対リバプールだろ。その試合の招待になんと当たりました‼︎」 両手を広げドヤ顔でこちらを見てくる。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!