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DCトリオ
1
「隆二、これ見ろよ。」
と言って、新が一冊の週刊誌を渡してくる。そこには大きな見出しで『また”黒い向日葵”か?』と書かれている。
「今年に入って何件目だ?」
「確か、6件だ。」
「また、手がかりもなしか…。」
「あぁ。首筋一閃。手口が一緒で痕跡は残さない。」
「いつからか”黒い向日葵”って言われるようになったな。」
「ちゃんと意味があるらしいぞ。向日葵は…」
と新が言いかけたところで、ドアが凄い勢いで開く。
「当たったー!当たったぞー‼︎」
とドタバタと紘介が飛び込んでくる。
「隆二、新。当たったよ。やばいよ‼︎」
「本当にお前はいつもうるさいな。静かに入ってこれないのかよ…。」
新が呆れた顔で言う。
「いや、いつもうるさいかもしれないけど、今回はやばいって。当たったんだよ‼︎」
「さっきからそれしか言ってないって。」
少し苦笑いで先を促す。
「ごめん。ちょっと落ち着く。でも、お前らも聞いたら叫ばずにはいられないよ…。」
「もったいぶんなって。どうせアプリでなんか当たった程度だろ。」
と新が冷たく言い放つ。
「いいのかな。俺にそんな風に接して。これを聞いたら後悔するぞ。」
紘介がニヤニヤと意地悪そうな顔をする。
「俺も知りたいから教えてくれ。」
「しょうがないな。聞いて驚け!今度のクラブW杯決勝は横浜マリノス対リバプールだろ。その試合の招待になんと当たりました‼︎」
両手を広げドヤ顔でこちらを見てくる。
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