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「うん。分かった。ゆり、しばらく私がゆりの家に泊まらせてもらうよ。それでそいつらが来たら、私が撮影すればいい。」
と立ち上がって清水さんが自分を鼓舞するように大きな声で言う。
「それもダメだ。」
と新が呟く。
「どうして?そりゃあ、ゆりには無理だろうけど、私ならできるよ。いや、やるから任せて。」
「清水さん、そういうことじゃないんだよ。」
と俺が否定する。
「どういうこと?」
と清水さんが聞いたところで、紘介がスマホを置いて話し出す。
「誰が撮影するかが問題ではなくて、隣の部屋からその様子を撮影することで、そいつらからしたら逆恨みを買うかもしれないからね。仮に俺らがゆりゆりの家に泊まっても、次もしくは園村選手のついでに嫌がらせされるかもしれないからね。」
清水さんも納得したようで、また椅子に座り直す。
「そういうことなんだ。だから最善の手はお知らせしてもらうのが一番なんだ。むしろそれしか思いつかなくてすみません。」
と俺が頭を下げる。新と紘介もそれにならう。
「そんなことない。力になってもらってるし、謝らなきゃいけないのはこっちだよ…。」
と弱々しく久保田さんが答える。
「決め手にはかけるし、すぐ駆けつけられないかもしれないけど、よろしくお願いします。」
改めて俺が頭を下げる。その後、少し雑談含めて連絡先を交換してこの日は終えた。
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