The beginning of the tragedy

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 一通り店を見て回って、結局タオルやらユニホームなど色々購入してしまった。 「結構な出費になったな…。」 と新が少し落ち込みながら言う。 「何言ってんだよ。これから楽しむためだろ。」 と財布を見ながら、無理にテンションを上げて、紘介が言う。その姿を苦笑いしながら見るが、俺の財布もかなり寂しくなってしまった。「よし!準備も整ったし入ろうぜ。」 と促して、三人でチケットを握りしめ入り口へと向かう。 「この招待券を持って12時30分になったら三番ゲートまで来てください。そこから、15分間ロッカールームを見学できます。」 と入り口の女性スタッフがアナウンスしてくれる。その招待券を持って入場する。その時間まではまだ、あと1時間程あった。とりあえず、席に向かう。 「うわー。席までいい席じゃないか。」 と思わず声を出してしまう。 「本当に最高だな。」 と新が呟く。そのトーンは確実に浮かれていた。 「あれっ?紘介は?」 いつのまにかいなくなっていた紘介は、ポテトを買って戻ってきた。 「席もめっちゃいいじゃん‼︎」 とポテトを頬張りながら言う。 「いつの間に。」 と俺が言うと、 「食う?」 と勧めてくる。遠慮なく数本頂いて3人で食べながら、話して待つことにする。これからの楽しみでいっぱいで話題が尽きることはない。気づけばあっという間に時間になる。
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