DCトリオ

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「ごめんなさい。噂通りの人たちだったんで思わず笑っちゃいました。」 と一人の女性が話す。どんな噂を聞いたことやらと頭をかきつつ、リラックスできただけ良しとしようと思うことにした。 「あのー。ここってどんなことでも聞いてくれるDCで合ってますか?」  俺ら相沢隆二、髙橋新、堀紘介の3人でDetective Club(探偵クラブ)略して、DCをやっている。まぁ、やっていると言っても、大学の中で非公式で立ち上げたサークルみたいなもので、余ってる一部屋を借りて3人で勝手にやっているだけだ。しかし、立ち上げてから2年目になり少しずつ実績?と噂が広まり、着々と依頼が増えてはきている。 「そうです。失くし物から事件までなんでも承ってます。」 と言ってる間も紘介の声が廊下から響いていた。思わず溜息をつくと、片方の女性がまた少し笑ってから 「あの…。さっきの人たちここにいてもらってもいいですよ。悪い人たちではないのは分かったんで。」 と言ってくれる。頭を下げて、二人を呼びに行く。紘介にはある一言だけ伝えておく。新はいつも通り表情を変えることなく、定位置に座る。そして、紘介は俺の隣、依頼者の正面にニコニコしながら座る。 「本当にこれ以上失礼のないように致しますので、よろしくお願いします。」 と改めて頭を下げると、その様子に気づき慌てて紘介も頭を下げる。 「全然大丈夫です。」 と言いつつまだ少し笑いをこらえている様子。
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