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改めてこちらの3人の自己紹介を終えた後
「さて、早速ですが本題に入らせてください。今回はどのようなご用件ですか?」
と聞くと、二人の顔がすぐに真剣になる。
「私たちも名前を言ったほうがいいよね。私は付き添いなんだけど、2年の清水瑞季。それで、この子が今回の相談者で同じ2年の久保田ゆり。」
今回の相談者は少し引っ込み思案なのか、最初から付き添いの清水さんが話していて、紘介への反応も清水さんの反応を見て久保田さんも笑うといった感じだった。
「ごめんなさい。本当はゆりがしっかり話せればよかったんだけど、この子初対面の人苦手で…。だから、付き添いなんだけど大丈夫かな?」
「全然構いません。」
と答えると横で紘介が口元を手で抑えながら大きく頷いている。違和感はあるが無視して話を進める。
「話しにくかったら清水さんの口からで構いませんよ。」
「ほら。ゆり。一回ちゃんと話してごらんよ。」
と励ますように声をかける。そしてその度に横でビクッと反応して口元を抑えながら何かしら動きを見せる紘介が横目に入る。やはりそれが気になるようで、久保田さんも紘介の様子をチラチラと不審そうに見ている。その時、後ろから新が
「お前は何やってんだよ。吐きそうなのか?」
とバッサリ言い放つ。しかし、紘介は同じ様子で首を横に大きく振るのみ。
「だったら何なんだよ。」
ともう一度新が聞くと、何故か紘介は何かを訴えるように俺を見てくる。
「なんだよ?喋りなよ。」
と言うと、目が大きく開き紘介にしては小さい声で
「喋ってもいいの?」
と聞く。
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