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「ってか喋らないとわかんねぇだろ。」
と新が言うと、少し嬉しそうな顔で、
「だってさっき隆二が部屋に戻るなら一言も喋らずに大人しくしろって言うから、大人しくしてたんじゃん。」
「え、それで喋らないように口元を抑えてたってこと?」
「そうだよ!」
と誇らしげに答える。
「じゃあ、時々ビクッと反応してたのは?」
「あー、言いたいことが思いついたんだけど必死で止めてた。」
とニコニコ答える。また、清水さんが堪えきれず笑いだす。それを見て、久保田さんも少しずつ笑う。俺は大きく溜息をついて、
「まさか。黙っててもダメだとは思わなかったよ。俺が悪かった。逆に目立つから普通通りにしてくれ。」
「え、なんも気にしなくていいってこと?」
「節度を持てってこと。悪気はないんで勘弁してやって下さい。」
と頭を下げる。この数分で何度頭を下げたことやら…。
「大丈夫です。ちょっとこの人のこと気になってきたくらいですもん。」
と笑いを堪えながら清水さんが言う。すかさず紘介が
「やっぱりモテ期?」
と言った後に自分でもやばいと思ったのか、顔が引き攣る。
「今のはダメ…だよね?」
「変な発言・行動は極力無視してください。」
と依頼者の二人にお願いすることにする。
「気をつけます。」
と紘介も少しは反省した様子。
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