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「誰かさんのせいで話が進まないから、内容を聞かせてくれ。」
と新が催促する。清水さんが久保田さんの顔を見ると、久保田さんが小さく頷き話し出す。
「あのー…。廊下にいた時に聞こえたんですけど、みなさんサッカーがお好きなんですか?」
と遠慮がちに聞いてくる。思わぬ質問で少し戸惑うが、
「はい。3人とも大好きです。」
と答える。
「それなら、園村選手って知ってますか?」
「園村ってマリノスのSBじゃん!もちろん知ってるよ。」
と紘介が喜ぶ。
「その人に関係するかもしれない話のことなんです。実は私その人とマンション部屋が隣で…。」
「えぇー。いいなー。園村って言ったら一時はマリノスの不動のSBだったんだよ。ただ怪我しちゃって長くピッチを離れちゃって…。でも、マリノス一筋で最近は出れてないけどベンチにはいるんだよ。それに…」
「紘介。久保田さんが圧倒されてるから。」
と熱を持って話している紘介を止める。清水さんはもう堪える様子を見せず笑って、久保田さんも苦笑いしながら、
「ごめんなさい。私はそこまで詳しくはないんです。」
と謝る。紘介が申し訳なさそうに大きく首を振る。俺はとにかく先を促す。
「なんだか最近部屋にはいないみたいなんですけど、昼夜問わずガラの悪い人がノックしている時があって…。」
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