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「借金か?」
新が聞く。久保田さんは首を傾げつつ
「分かんない。でも、なんか怖くて…。」
「そうだよね。でも、つまり俺らにどうして欲しいってこと?警察には相談した?」
「警察には私と一緒にゆりのお母さんと3人で相談しに言ったんだけど、あんまり相手にしてもらえなかった。パトロールは強化するって言うだけなの。」
と少し怒り交じりに清水さんが答える。
「それで…。頼みづらいんだけどその人達に注意というか、園村さんが全然家にいないことや夜中はやめてほしいって言うのを伝えて欲しくて…。」
おずおずと久保田さんが語る。それを聞いて紘介が
「うへぇー。それってヤクザにってことだよね。俺らで大丈夫かな?」
と珍しく真面目な発言をする。
「そうだな。俺ら大学生が言っても舐められて終わっちゃうと思う。」
と俺が言うとそれに重ねて新が、
「警察がダメでも、お父さんとか大人の男性の方がまだ効果あるかもしれない。」
と伝える。すると二人は少し神妙な顔つきになり久保田さんが悲しそうに笑いながら、
「先に言っとけばよかったね。うちのお父さんもう亡くなってるんだ。だから…。」
一瞬その場が凍りつく。俺も慌てて、
「こちらこそごめん。辛いこと話させちゃって…。」
「ごめんなさい。」
と新も謝る。久保田さんも慌てて
「いや、私の方が言ってなかったから仕方ないよ。そう言う理由もあってお願いしたくて…。でも、やっぱり難しいよね…。」
と自信なさげに話す。紘介・新と目を合わせて確認する。そして紘介が誇らしそうな顔で、
「大丈夫。俺らに任せて‼︎」
「本当?」
「あぁ。俺らDCはどんな依頼でも受けるのがモットーなんだ。」
と答える。すると新も、
「さぁ、作戦タイムだ。」
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