3.華の都とペペロンチーノ

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ここに来た理由は分からない。 ただ、ここで私がなにもしなかったら、ゲームでいう"ゲームオーバー"になる気がする。 ただの直感だ。 「なんとかって……」 「なんとかするよ。できる。絶対出来る」 こんな根拠もない私の答えに、れみは少しきょとんとした顔を浮かべる。 逆の立場だったら、私でもそうなる。 「ねぇれみ。私がここにいる理由。ここに来た理由。それは何故だか分かる?」 「……えっ?」 私はただ店の前で気絶して倒れていた──だけじゃないんだ。 ここに来たのは必然なんだ。 助けるんだ。大好きな魔法少女になって。 なんでも盗賊は、ここから2キロ歩いた山奥に縄張りを張っているらしい。 とてもじゃないが、皆怯えて奪われた物を取り返しには行かないそうだ。 「それじゃ、行ってくるね」 「え、止め──」 「だって私、魔法少女だから」 不安そうなれみに、得意気な笑顔で返した。
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