第一章

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肌は雪の様に白く、きめ細やかで、口元にある黒子が色っぽい。 鎖骨辺りまで伸びた少し癖のある黒髪は、いつもは綺麗に結んでいるが、家にいるときだけは無造作に掻きあげられている。 ぱっと見女性と見間違えそうな容姿をしているのだが、水玉柄の可愛らしいパジャマの下に隠れているのは、筋肉質で非常にガタイのいい体つきだ。 そのギャップに、やられる女性は多いと思う。水玉柄が嫌じゃなければの話だけれど。 ちなみに年齢は、自称永遠の二十九歳。 「柘榴(ざくろ)。いつも言っているだろう。僕の事は気にせず、勝手に食事をしていいんだよ?」 「……わかっていますよ」 また今日もダメだったか。と肩を落とし、落ち込みながら寝室を出ようとする。 しかし、不意に強い力で腰を引かれ、ベッドにダイブしてしまった。
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