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第一章
「朽葉(くちば)さん、おはようございます。朝です。朽葉さんったら」
ベッドの隅にこんもりと出来上がっている布団の山に向かって、声を掛け続けること数分。
「んー……」
やっとのことで小さな返事が返ってきた。
「朽葉さん。もうお昼になってしまいますよ。食事にしましょう」
「……はあ」
大きな溜息をついた後、布団の中からごそごそと顔を出した寝坊助さん。
その姿は、もう見慣れているはずなのに、毎朝ドキっとさせられる。
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