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教室に入ると黒板に席順が貼り出されており、2人はそれに従い席に着く。
「まさか隣とはね。」
「え、もしかして私の隣嫌?!」
「そんなことないわ。」
「ならよし!」
2人は席に着き鞄を下ろす。
新品の机の中にはこれから使うであろう教科書が入れられており、それを見たなずなは憂鬱そうな表情を浮かべ机に突っ伏す。
「学校は楽しみだけど、どうも勉強は性に合わないんだよねー。」
「学生の本分は勉強。」
「違うよ!青春だよ!」
何処かで聞いた声がなずなの前の席から聞こえる。
「あ、さっきの。」
「ももでーす!」
「よろしく!私はなずな!で、こっちはあざみ!」
あざみはぺこりと頭を下げると机の中の教科書を確認する。
「あれ?あざみさん怒ってる?」
不安そうな表情を浮かべるももをフォローするようになずなが答える。
「いつもあんな感じだから気にしなくていいよ?」
「いつもって、お2人は付き合い長いんです?」
「生まれた日も病院も一緒。家も隣。幼馴染ってやつ。」
「おおー!幼馴染!」
「腐れ縁の間違いよ。」
「ね?こんな感じだから気にしなくていいの。」
「なるほどー。」
ウンウンと頷くももを見てなずなは笑う。
少し時間が経ち、徐々に生徒も増え、いつの間にか全ての席が埋まっていた。
「あ、なずな!同じクラスなんだー!」
「え!あんずも一緒とかテンション上がる!」
「ね!よろしくね!」
と、あんずがあざみの前の席に座ったところでチャイムが鳴った。
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