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「きみ、うちの冬翔(ふゆと)と付き合ってやってくれ!」 「へ.......!?」 「はぁ.......!?」 高級食材が並べられた食卓を前にして聞こえてきたそのとんでもない言葉。 それにあたしと隣の彼がそれぞれ反応をする。 事の発端は1時間ほど前。 冬休みだけど生徒会室に行って残っている仕事を片付けて、いつもの道を歩いていたあたしは転んで尻もちをついた目の前の男性を助けた。 それがどうやらこの家の家長だったらしい。 ──冬翔、話がある! 散歩中に尻もちをついて立ち上がれなくなっていたらしい、この人を心配だからと送ってきたあたしがたどり着いたのは見るからにデカいお屋敷。 そして、現れたのはあたしの通っている高校でも一際目立つエリート軍団の中の1人。 「結城(ゆうき).......冬翔」 「なにこの子。こんな普通な子を家に連れてこないでよね」 彼は玄関で一瞬あたしを視界に入れたかと思うと一蹴した。 化粧品メーカーの御曹司である彼にとってはセンスがなによりのバロメーターで普通とダサいが大嫌いだと噂されていた。 そして、その普通なあたしに対しては心底嫌そうな顔を隠さなかった。 「ありえないから。本当にありえないから」 あたしと結城くんを隣に座らせた家長から発された言葉に「ありえない」を連呼している。 「つ、付き合うとかそういうのは.......困ります」 こっちだって、話したことのないほぼ初対面のような彼と付き合うとかそんなのゴメンだから。
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