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「気になるなら行こうよ」
「え?」
「彼女として、彼氏がなにをしているのか見ておくべきでしょ?」
あたしの返事も聞かずに凛斗くんがあたしの腕を引っぱって会場を出る。
「おい、凛斗.......余計なことはするなって」
後ろから煌大くんのそんな声が聞こえたけど、彼には聞こえないのか聞こえないふりをしているのか.......振り向かずに歩いていく。
「凛斗くん、どこに行.......「別にただじーちゃんに言われて一緒にいるだけであんな普通な子、俺が相手にするわけないでしょ。一花まで変なこと言わないでよ」
凛斗くんに聞こうとした瞬間、聞き覚えのある声が聞こえる。
──あんな普通な子。
それはあたしのことだろう。
どうやら、あたしは大いなる勘違いをしていたようだった。
普通のあたしが恋をしてはいけない相手に恋をしてしまうところだったらしい。
「独占欲むき出しにして.......よく言うよね」
「はぁ?.......って凛斗.......なんであんたもここに」
凛斗くんを見て視界に入ってきたあたしに結城くんの目が見開いていく。
「面白いものが見れると思って連れてきたんだよ」
「なんだよ、面白いものって」
「浮気してるところとか?」
「はぁ.......?」
意味がわからないというような顔で凛斗くんのことを見る。
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