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「仮の彼女は続けていいよ。でも、俺が仮じゃない彼氏になるって考えもあるわけ」
「はぁ?」
「夏果ちゃんと俺がお付き合いをするってこと。仮じゃなくて」
凛斗くんがあたしに向かってウインクをする。
「凛斗くん.......またそんな冗談ばかり」
「冗談って思われるのはまぁ、自業自得だけど。冗談じゃないよ」
「勝手にすればいいよ。でも、今は俺の仮彼女なわけだからそれが終わってからにしてよ」
凛斗くんの隣にいるあたしの腕をグイッと引っ張る。
「じーちゃんが、あんたを連れてこいってメッセージしてきた」
ポケットからスマホをだして、メッセージ画面を見せられる。
「本当だ.......」
「だから行くよ。凛斗、一花のことよろしく」
そのままあたしの腰に手を当てて、歩き出すのであたしも一緒に歩く。
結城くんはこんな普通なあたしと一緒に歩いてはずかしくないのだろうか。
「凛斗になにか言われたからって鵜呑みにしたり、ついて行ったりしないで。本当にあいつはなんでも面白くなればいいって思ってるから」
「.......うん」
「まぁ、だからといって本当に嫌なことはしないから憎めないんだけど」
結城くんと凛斗くんと煌大くん、そして一花さん。
彼ら4人はこのスペシャリスト集団の中で育ってきて、そしてお互いの葛藤とかが分かり合えるから一緒にいられるんだと思う。
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