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「ご、ごめん。説明はまた今度!」 このままだと結城くんが爆発してしまいそうだと、あたしは慌ててカバンを手に取って入口へと駆け寄る。 「ほんっと遅い。ほんとなら来たくないのに」 「ごめんなさい.......って来たくないならなんで来たの?」 「凛斗が行けって言うから.......」 不満げな様子の結城くん。 きっとまた凛斗くんにからかわれて、そして「行く!」って言ってしまいあとには引けなくなったのだろう。 なんだかんだ凛斗くんは結城くんの扱いがうまい。 「それで迎えに来てくれたんだ?」 「まぁ.......ってあんたどこ行くつもり?」 「へ?生徒会室だけど?」 凛斗くんに言われたってことは、行く場所はひとつだと思ったのに怪訝な顔をしている結城くん。 「違うよ。教室」 「教室.......?」 「うん、俺らの」 「へ!?なんであたしがスペシャリスト科の教室に!?」 スペシャリスト科と普通科は、廊下は繋がっているけど、あたしたちが足を踏み入れてはいけない世界だと黙認してきた。 「いちいちうるさいな。いいから着いてきて」 はぁっとため息をついてから歩き出すから仕方なくあたしもそのあとを追う。 普通科は西玄関、スペシャリスト科は東玄関。 こうして普段使う玄関も違うわけで、同じ学校だけどあちら側は異世界というくらいあたしたちには遠い場所だった。 唯一真ん中に作られた生徒会室以外、あたしたちが通ることなんて許されない道なんだと。
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