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「あれ、みーんな残ってるの?.......って、誰?そこあたしの席なんだけど」
ガラッと教室が空き、入ってきた女の子がキラキラした目をして彼らに話しかけたあとあたしを見て目の色を変える。
「美楽(みら)ちゃん。いいじゃん、座ってるくらい。ね?」
すかさず立ち上がり、彼女の頭を撫でにいく凛斗くんはさすがだ。
「だって.......この子のタイの色.......」
同じ制服で唯一普通科だとわかる部分。
彼女はそこをみて、表情を変えたのだ。
「あ、たし.......退きます」
「必要ないよ」
ガタンと立ち上がったあたしの腕を結城くんが引っ張る。
「.......え?」
「あんたが退くなら俺も退くだけだから」
そう言って、あたしの腕を掴んだまま彼も立ち上がる。
「.......ふ、冬翔くん?」
「なんだっけ。名前」
「え?」
「こらこら冬翔。美楽ちゃんでしょ?女の子の名前は覚えないと」
そう凛斗くんがなだめてる間も結城くんは横にあったカバンを肩にかけて我が道をいくかんじだ。
「別に全員覚える必要はない。帰ろ、夏果」
横にあったあたしのカバンをあたしに押し付けて、歩き出す。
「あ、ま待って.......!」
スタスタと歩き出した結城くんを慌てて追いかける。
ドキドキしてる。
結城くんがあたしのことを名前で呼んだその声が頭の中で響いてる。
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