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「やっぱり冬翔が1番数多いね」 「別に。食べたいならあげるけど」 「俺たちもまぁそれなりにはもらってるから。結構です」 生徒会室のドアノブに手をかけようとしたとき、中から3人のそんな声が聞こえる。 もともと生徒会のメンバー以外もスペシャリスト科なら入れるこの部屋なので、仲良くなってからは煌大くんも来るようになっていて。 そして、気がつけばいつしか結城くんも来るようになっていた。 だから、この部屋はこの学校であたしの一番好きな場所なのだ。 スペシャリスト科なら入れるといっても彼ら以外に来る人はいないので、あたしが他の人の目を気にすることなく結城くんと一緒にいられる場所なのだ。 「あれ、冬翔。これって手作りじゃない?」 「あぁ.......まぁ、食べないけどさ」 「気持ちがこもっているっていうのに冷たいねー」 「手作りが一番無理だよ。しかもこんな本命ぽいの」 ドアノブにかけた手を動かすことがでなきない。 「手作り」「本命ぽいの」このふたつとも自分のものに当てはまっていて、胸がきゅうっと痛む。 「あーあ。可哀想なチョコ」 「いいよ、家の手伝いにでも食べさせるし」 「冷たいオトコだね。相変らず」 「はぁ、ほんと。バレンタインとか一番面倒なイベントだよ」 結城くんはバレンタインというイベントが一番嫌いっぽく、嫌悪感たっぷりの声色になっている。
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