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「.......っ」 結城くんの言葉に凛斗くんも「え?」と彼が言った言葉をしんじられないようだった。 「違うよな、冬翔「ご、ごめん!そうだよ、手作りなんて嫌だよね!回収ーー!」 煌大くんの言葉を遮ってわざと明るく振る舞いみんなの手から渡したチョコをとる。 明るく振舞っているあたしはきっとみんなの目には哀れに映っているだろうけど。 煌大くんも凛斗くんも何かを言いたげだったけど、素早く回収していったあたしに何も言えない風。 「今日は、このまま帰るね!」 明るく振舞ったまま、このままここにいたら泣いてしまいそうだから。 みんなの顔も見ずにあたしは廊下へと出た。 「本命ぽいの」じゃなくても、手作りなんて嫌なんだ。 そりゃそうだ。 一般の家庭でなんて育っていない彼には、こんな小さな何が入っているかわからないものなんて食べたこともないだろう。 「おい.......っ」 涙がポロリと出そうになったとき、ぐいっと腕を引っ張られる。 「.......結城、くん?」 「違うから。あんたの作ったチョコが嫌とかじゃないから」 「.......?」 結城くんに何を言われているのかわからなくて、脳内をハテナマークが埋める。 「それ、誰にあげんの」 「え?」 結城くんが指をさしているのはあたしのカバンに潜んでいる本当は渡したかったチョコ。
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