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「.......なっ、なんで凜斗に」 「だって誰かもわからない手伝いの人に食べられるより、知ってる俺の方がいいよ。ね?夏果ちゃん」 「えぇ.......」 そんな「ね?」と言われてもなんと答えていいか困ってしまう。 たしかに「もらう」とは言われたけど「食べる」なんて言われてはいない。 もしかしたらお手伝いの人に言ってしまうのかななんて、不安がよぎってしまう。 「凜斗、これ俺のだから」 その場であたしのあげたチョコの包み紙を開ける。 「え?いま?」 さすがの凜斗くんもこの結城くんの行動は意外だったらしく、目を丸くしてる。 「凜斗がうるさいから。ここで食べれば文句ないでしょ」 包み紙を開けて出てきたのは、あたしが昨日の夜に作った生チョコ。 「わー、すごいなんか手が込んでそう」 「いや、そんなことは.......」 たかが仮の彼氏のために張り切ってしまうだなんて思われたくなくて、咄嗟にそう言う。 でも、結城くんだけに特別にしたし、彼が甘すぎるのは苦手なのは前に聞いていたからすこしビター気味につくったから結城くんのためのチョコであることは間違いない。 「あ、甘すぎなくて美味しい」 ひとくち口に含んだ結城くんは、満足そうにあたしを見る。 「結城くん、甘すぎるの苦手だって前に言ってたから」 「言ったっけ?よく覚えてるね」
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