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「はい、夏果ちゃんにも」 「あ、ありがとう」 今日はホワイトデー。 凛斗くんは、もらった全ての人にお返しを渡しているところらしい。 「冬翔から、どんなのもらったか教えてね」 「もらえるかどうかわかんないよ」 結城くんは、お返しとかいちいちしない人ってのは分かってるし、それを覆してまでもらえるほどあたしは特別にはなれていない。 この1ヶ月も相変わらず生徒会室で集まったり、結城くんの家に行ったりと毎日を結城くんと過ごしてきたけど、特別変わった何かがあったわけでもない。 「いちいちもらったやつの顔覚えてんの凛斗くらいでしょ」 「いやいや、貰う数が少ない人に恨まれるよ?」 結城くんは呆れたように凛斗くんのことを見るけど、あたし的にはお返しを貰えたら嬉しいと思うから。 「はい、ナツ」 「煌大くん!」 少し遅れて生徒会室に入ってきた煌大くんがあたしの前に包み紙を置く。 「煌大がお返しあげるの珍しいね」 「ナツには返すでしょ。ふつーに」 「ふーん」 煌大くんの言葉に興味なさそうな相槌を打つ結城くん。 やっぱり、結城くんからのお返しは期待できなそう。 「毎年、一花にだけは返してたんだ。今年からはナツにもだな」 「ありがとう。普通に嬉しいよ」
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