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結城くんに会わずに帰るのも失礼な気はしたけど、どうしても会いたくなくてそれをかばんにしまって、部屋のドアを再び開ける。 「まさか、俺に会わずに帰るつもり?」 「ゆ、結城くん!」 ドアを開けたところで立っていた結城くんと鉢合わせ。 「なに、放課後も今も勝手に帰ろうとしてるわけ?」 そのまま部屋の中へと押し入れられ、ドアがパタンと閉める。 「放課後のことなんて気にしてないんじゃ?」 「はぁ?あんな喧嘩売られて怒らないわけないじゃん」 「........怒ってるのはこっちなのに。まあ、もういいよ。これ取りに来ただけだから帰る」 「待ちなよ」 ぐいっと引っ張られて気がつけばベッドの上。 「俺に逆らうの?腹立つね」 そのままベッドへと倒されて結城くんが覆いかぶさってくる。 「ちょ、結城くん!?」 明らかに結城くんは普段の結城くんとは違う。 「あんたが悪いんだよ。俺のこと無視して帰ろうとするから」 「ちょ、ちょっと........!こういうことは大切な子にした方がいいと思う!」 悲しいけど、それをするべき相手はあたしでは無い。 「はぁ?大切な子にこそ手なんてだせないもんじゃないの?」 「........っ」 それは、あたしのことを大切に思ってないと言っているようなものであたしの心臓を突き破るには十分な言葉だった。
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