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第1章 再会
私の名前は、溝口 結奈
年齢は…30歳
この年まで何をやっていたのかと言われると…
普通に幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と通って来ましたが…
恋愛もそれなりにやりましたが、疲れました
だって私の恋は高校卒業で終わりましたよ
私からあいつとはこれ以上一緒にいられないと感じたから、私から離れた。
でも今でも大好き…
それから何人か付き合ったりしたけど、私の中では疑似恋愛みたいな…
やっぱり今となっては後悔してるけど、一人が楽だし、私にはちょうど良かったかなぁーって
大学から上京して、一人暮らしも長い
でも夜になると寂しくて、切なくなる…
そして、そのまま一人で寝る…
この繰り返しが10年くらい続いてる…
『あいつ…もう結婚してるよね…』
忘れられない過去…
いつまで思い続けるのか…
いつの間に寝ていたのか、朝になっていた
カーテンを開けると朝日の光が差し込む
体を伸ばし、背伸びをして気を引き締めて会社に行く準備をする
もうあの場所には帰りたくないし、帰らない
ここで私は新しい人生を歩み始めたのだから
通勤時間だ
家を出て、10分程歩いた所に地下鉄の駅がある
都会は通勤ラッシュの時間が地獄と言うが、私の所は人が多いもののそこまで窮屈ではなく、快適だった
20分程電車に乗り、会社がある駅に着く
駅から繋がっているからエレベーターから直に行ける
その前にコンビニに寄ってホットコーヒーを買い、エレベーターに乗り、会社のある階へ上がる
今日は、何なんだろう?
フロアに人だかりが…
同期の美優が私に気づき、小走りで近寄って来た
「結奈…助けてよ」
「なんか今日イベントあんの?」
「違うよ!!今日は本社から凄い人が来るってこの前言ったじゃん!!」
「凄い人……そんな話あったっけ……?」
「結奈、いい加減恋したら…」
「えー…一人の方が気が楽でいいし、だって面倒くさいもん」
私は、フロア内の人だかりを掻き分けて自分のデスクへ腰掛ける
すると美優も私の後ろからやってきて話を続ける
「結奈、まだ話終わってないんだって。今回来た人結奈をアシスタントにつけて欲しいって言ってんの」
「ふーん、珍しくない?私、地味だしパチンコパチスロ好きだし、他の営業アシスタントなら綺麗な人いっぱいいるから変えてもらおっかなぁー」
「何言ってんの!?ほら、近付いてきた。私は自分の席に戻るね、バイバーイ」
足早に美優は自分のいる島へ帰って行った
私は自分のパソコンの電源を付けると、声を掛けられる
「結奈だよな」
この声…
聞き覚えがある…
ゆっくり見上げる
疾風がいた…
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