【失敗作】 テイク3

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 未沙に追い出された架名は、学習室に顔を出した。  そこには問題集をこれでもかと積まれた未汝と、「このくらいの基本問題、悩まず解いて下さい」と言わんばかりに眉根を寄せたりながいる。 未汝「どうしたの? 架名ちゃん。そんな暗い顔して」 架名「ちょっと、未沙姫に怒られまして・・・・・・」 りな「・・・大方、また姫といつも通り呼んだか、ソファで寝たことがバレたんでしょう」 架名「な、何で分かるんだ、りな」 りな「分かりますよ。今だって、未沙|と口にしましたし」 架名「あ・・・。だって、かれこれ10年近くそう呼んでるんだから、そんな簡単に直るわけないと思わないか?」 りな「直そうと努力してから言って下さい。それで? 三行半(みくだりはん)を突き付けられたなら、僕も(あや)も未沙姫側につきますから兄さんに勝ち目はありませんよ」 架名「(俺の弟達は、どうしてこう・・・)りな、兄を助けようとかいう優しさはないのか?」 りな「あるわけないじゃないですか。どう考えても未沙姫の主張が(もっと)もで、直さない兄さんが悪いんですから」 未汝「まぁそうだよね。例えばお姉ちゃんが風邪ひいて、「架名、それ以上近づかないで」って逃げられたら、今みたいにへこむんじゃないの?」 架名「ええ、まぁ・・・そうですね」 未汝「だったらお姉ちゃんも一緒じゃない? 折角ダブルベッドに変えてあるのに、わざわざ寝難(ねにく)いソファで眠るなんて、私の事避けてるのかしらって思うと思うよ」 架名「それは・・・」 未汝「このままお姉ちゃんに愛想つかされちゃっても知らないんだからねっ。洗濯物だって、わざわざお姉ちゃんのと分けて2回洗濯機回してるって聞いてるし」 架名「誰からそれ聞いて・・・!?いやだって、何か俺のと一緒に洗濯とか、申し訳なくて」 りな「・・・兄さん、もう結婚して1か月経つわけですよ。いい加減に主従関係から脱して下さい。そしてそろそろ、未汝姫の勉強の邪魔するのもやめて下さいね。高校生活初の中間テストで赤点なんて取らせるわけにはいかないんですから」 架名「・・・お前、俺の心配よりそっちの方が心配なわけ・・・」 りな「ええ、勿論」    ❋      ❋      ❋
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