天国へ誘う本

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そうださっき見た本の一部にあった景色だ。 しかし先程見た1ページいっぱいの夕陽とは違い、懐かしい風景が混じって写っている。 はっと気づくと自分が、その景色の中に入り込んでいた。 辺りを見渡すと、そこは高校から駅までの通学路。 駅から見える夕陽が綺麗でよく友達と携帯のカメラで撮ったのを思い出した。 でもなんだこの気持ちは。 あの場所で、何かやり残した事があるような気がする。 通学路を懐かしみながらも、駅へと向かうと、ホームに人影が見えた。 しかしぼんやりと見える人影は、誰だか思い出せない。 でも知っているはずだ。 あの小さなシルエット。誰だ。何かを伝えなきゃいけない気がする。 思い出そうにも、何故か思い出せない。 頭を抱えながら駅へとまた一歩踏み出すも、踏切が閉まり踏切警報機が、鳴り始める。 するとその音と共に、電車が駅に到着し、その人物は電車に乗り込んでしまう。 必死にその人物を呼び止めようとした時だった。 パッと目が覚めた。 『夢』? にしても意識は、はっきりしていた。 それに、間違いなく感覚もはっきりしていた。 恐る恐る本に手を伸ばす。 1ページ、1ページしっかり確認しながら。 あの時は、なかったはずの1ページを見つけた。
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