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次に目が覚めた場所は、見覚えのない場所だった。
辺りをゆっくり見渡すと、救急隊員の方がこちらに気づき僕の顔を覗き込んで声をかけてきている。
「大丈夫ですか?聞こえますか?」
意識が朦朧とする中、取敢えず頷くと救急隊員の方は、状況を説明してくれた。
どうやら車の運転中に、意識が飛びそのまま赤信号を突っ切りガードレールに突っ込んでしまい
意識不明のまま、救急車に乗せられたそうだ。
その事を聞いて、あの本の最後に見た彼女のとのやり取りを思い出す。
そうか、あそこでもしもまたあの本に縋ってしまっていたのならば。
考えれば考える程ゾッとした。
ふと運転席から零れる陽の光を見つけ、救急隊員に止めなれながらも
立ち上がり陽の光を見つめた。
そして、その光が、直接ではないが温かく感じ
僕はゆっくり瞼を閉じると自然と涙が、零れた。
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