メリーグレイス、あるいはケモノの耳をもつ戦乙女

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 メリーグレイスを自分のベットに寝かせると、信一はベットの端に腰かける。  自然と、寝ているメリーグレイスに視線が移った。規則正しく上下する乳房に目がとまる。ワンピースごしにも関わらず、その存在がハッキリとわかった。  乳房にむかって伸ばされた信一の手は、振れるか否かと言う所でひっこめられた。 「いやいやいや! 死ね! 俺死ね! そんな事したら、後で絶対に後悔する……」  フラフラしている信一は、予備の毛布を掴んでベットから立ち上がろうとする。  メリーグレイスが、信一に抱き付いた。 「ダメだ……早く、離れな、きゃ……暖かくて、良い匂い……子供の時に、家族全員で行った……森のキャンプ場で、嗅いだような……」  メリーグレイスに抱かれた信一は、そのまま眠りに落ちてゆく。  祐美の告白という悪夢を見ることなく、一週間ぶりの睡眠に身を委ねるのだった。
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