I can feel it if you don't say.

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 目が覚めると、飲み屋の天井が目に入ってきた。あれ、俺……。 「お、雨月気づいた? ったく、あいつら一気に飲ませちゃって……本当馬鹿」  起き上がって見てみれば、飲み会は解散したのだろう、大半は既に帰宅していて人はまばらだ。けれど、奥の方では飲兵衛な居残り組数人が、呑気にグラスを傾けている。 「大丈夫? 3杯目あたりから顔が青褪めてきたから、止めたんだけど……ちょっと遅かったみたいね。明日島田にはちゃんと言っておくから」 「ありがとう。……ったく、俺何もしてねぇってのに」 「いや、あんたには悪いけど、半分はあんたのせいよ、あれ。よくもまぁ、ぬけぬけとあんなこと言えるもんだわ」 「そんなに俺が言ったことって不味かった?」  俺が聞くと、澤田さんは呆れた顔で溜息をついた。 「あのさ、自分の、ごく普通の知り合いが、とっても綺麗でお金持ちで頭もいい女の人に好かれて、結婚して下さいって言われて、結婚してたらどう思う?」 「ぶちのめしてやりたいと思う」 「じゃ、あんたはあんた自身をぶちのめすことね」 「……確かにそうかもしれないけどさ! これはこれで苦労も多いんだってば、あいつ結構天然だし」 「いや、まぁわかるけどね。あんたもあんたで苦労があるの」  呆れながら笑う。俺も笑い返して立ち上がった。 「あんた大丈夫なの?」 「まぁ、ああいうやり取りは慣れっこだよ。特に酒の席だと、本当ロクでもないことしかしないから、あいつら」 「マジ? じゃあ明日よーく言っておくわ」  頼むよ、と言って鞄を取った。ちょっとふらふらするが、少し寝たせいか気持ち悪くはなかった。 「帰るの?」 「あぁ。明日もあるしね。お金は既に払ってあるから、これ以上飲むなら自腹でよろしく」 「はいはい。……社長、ってか奥さんにもよろしくね」  へいへい。まぁ澤田さんがいるなら問題なし。元々の宴会は解散なんだし。軽く手を振って、居酒屋を出た。
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