12 光の世界

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「──涼君は……本家に?」  もしかして、だから、同じ場所には居られないということかと、唯央は思ったのだ。 「彼は、阪上一紀と一緒に、もっと人目につかない場所にいる」 「よかった……あの人と一緒なら、何処でも幸せだよね」 「しかし──不便な場所だがな」  近くの領民さえも近づけない、主に政治犯が収容される特殊な島に移送された。  日本国の『公族』『武族』、片方だけの法律では身柄を動かすことは出来ない。現状、彼らにとっては、最も安全な場所と言えた。 「でも、ここも快適とは言えませんよ? 大輝様、大丈夫ですか?」  本社は、何処も立派な体裁を整えてはいるが、医務室など殺風景なものだ。  ベッドも常設されているのは一台のみ。後は簡易ベッドが倉庫扉の向こうで立て掛けられている。  一応、急病人が出た時の為に寝かせる用具はあるが、そのまま寝ていられる場所としては作っていないのだ。   「幹部フロアには、無駄に立派な宿泊室があるが──急きょ別の者が使っているし、私はもう幹部ではないからな」 「……大輝様が、どんな立場になっても、僕は一緒にいますよ」 「それは、憐れんでいるのか? 言っておくが……」 「大輝様がいる場所に、僕もついて行きます。そう、僕も言っておきますね」  わかっている。大輝は再び、元の場所に戻る。  このまま太陽が隠れることなど、『武族』の民は、黙って許しはしない。   「まぁ、いい…… しかし、十日──約二週間、か? ずいぶん長く、離れていた気がするな」    簡素な鉄製のベッドに腰掛け、大輝は唯央に隣に来いと、目で促す。  唯央は、高級バスローブの紐を解きながら、急いで隣に座った。 「医者には、診てもらったのか──っ……」  蛍光灯の下で、久しぶりに見る唯央の裸は──大輝が息を呑むほど、白く眩しかった。 「……こんなに、おまえはきれいだったか?」  大輝が、本当に真剣な面持ちで言うので、唯央は思わず笑いそうになるぐらい……照れた。 「いやだ、大輝様……そんな顔で、そんなこと言うなんて」 「──そうだな。別に、前と同じ……男の体だな」  白いバスローブが大きく開かれ、裸の前が剥き出しにされる。  大輝は普段、積極的に唯央のペニスに触らないのだが──まず先に、掌全体で捕まえにきた。 「……っ」 「おまえが──私のここを、急に咥えてきたから、本当にどうなるかと思った」  あの時──その直前に、配信映像は切れたらしいが、何があったかは誰でも想像がつく。  自分を見る者が、たまに、気恥ずかしそうにしているのがわかる……から、見られた様なものだが。   「だ、だって……必死だったから。でも、いまも、です……」  唯央は、大輝の掌に自分の中心を押し当て、尻を浮かせた。  自然と体重が大輝へと、かかる、その重さはそのまま、大輝への欲情だ。 「早く──大輝様の子供を産める様に、その体になりたいんです」
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