彼女に言いたくて

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 オレは、彼女の腕をつかんで引き立たせると、男たちが近づいてくる路地の反対側へ押しだす。  そして、封印となる眼帯を取りながら肩越しに言い放った。 「ここはオレが食い止める。おまえは逃げろ。――はやく行け!」  オレの言葉を受けて、しゃくりあげながら、遠ざかる美姫ちゃん。  一方では、これ見よがしに指を鳴らしつつ、距離を縮めてくる男たち。  ああ、オレ、詰んだな。  だが、彼女の前で、中二病的なカッコイイ言葉を言えたんだ。  中二病人生、もう後悔はない。
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