マフラー

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「あのバカ、どこいってんだよ」 雪の舞う空を見上げて呟く。 「戻ってきたよ、お前のばかが!」 背後から懐かしい声がきこえた。 聞こえるはずがないのに… 「きいてるの?きこえてまーすーかー?」 どうやら聞き間違えではないらしい。 「きこえてるよ、ばーか」 「なら、振り替えれよ秀才!」 「また、いなくなったりするんだろ?」 「もう、しないよ」 「信じられない」 ボフッ 背中に抱きついてくる体は前より少し痩せている気がする。 「ただいま」 「おせーよ、ばーか」 ふりかえって抱き締めてやる。
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