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「 ナツメ 」
また、名前を呼ばれる……
その名だって俺のじゃないのに……
「 ナツメ 」
抱きしめられる腕に力がこもるのを感じる。
温かい……
離れたくない……
それでも、今の俺にはそれを言葉にすることは
できない……
だから
俺は無言で柊の方に表情がわからないように顔を伏せ、抱きしめる柊に応えるように彼の背中に手をまわし、抱きしめ返した。
今の俺にはそれが精一杯の『こたえ』だった。
これ以上は俺を取り巻く状況や俺の気持ち的にも
ムリだった。
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