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「えーと……怖がられてます?」
「いや、そういう話ではないみたいだ。首のところを見てくれ。」
「ああ、なるほど。でも、子ども型のアンドロイドなんて聞いたことがないですね。」
「proto……試作品のようだな。」
「これ、どうしましょう?」
「研究棟の入口で博士が出迎えてくれることになっている。そこで引き渡そう。」
「了解しました。」
こちらの会話が耳に入っているのかいないのか、反応の乏しいアンドロイドに向かって、もう一度声を掛ける。
「さあ、行こう。」
やはり返事はない。ここに置いていったところで、風邪を引いたりすることはないが、ずぶ濡れのアンドロイドを暗がりの中に残していくのはどうも抵抗があった。
「こっちだ。」
俺はアンドロイドの手を取り、ゆっくりと歩き出した。
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