シロ

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私の住む街にも、ここの所雪が降り続いている。目が覚めたら、窓の外の白い世界を見て溜息をつくのが最近の日課である。正直、白い殺人鬼が出没している場所は家から近いのだ。冗談ではない。では会社を休める理由になるか、というとそうでもない。辛い朝が続く。昼と夜とも。 今日は一段と寒いようだ。今朝はくしゃみが六回も出た。風邪をひいたかもしれない。ストーブを焚いて手洗いうがいもして気をつけていたのに…。最悪だ。これだから独身は。 その辺に置きっ放しの沢山の上着の中から一番厚い物に手を通す。寒がりが災いしたか功を奏したか、家には上着やマフラー、手袋が溢れかえっていて、雪ばかりの今年も困らない。 乾ききっていない靴を無理矢理履き、ドアを開けた途端に、寒風と雪とが吹き込んできて思わず顔を(しか)める。「…これが一日続くのか…」マスクを耳に掛けながら、帰りは熱燗でも飲みにどこかに寄ろう、と決めた。「熱を測りなよ」、「人肌に暖めておくから早く帰ってきてね」なんて言葉が愛しいと言えば嘘になる。独り身である以上、嫌な事ばかりのこんな日は一人酒で飛ばすしかない。
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