シロ

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窓の外は青い。但し壁が白い。雪は降っているから、おそらく外は変わらず白い世界だろう。窓が高すぎるだけだ。 暫く、悪いニュースは見ずに済んでいる。白い殺人鬼は捕まった。確かに捕まった。あの日の白い悪夢ももう見ていない。悪い夢だったが、正しい夢だったし、見るべくして見る夢だった。シラフの僕は被害者サイドだった訳だから。 「あんたの為…か」 無意識にそう声に出す。私が生の大切さを悟る為、という意味でない事はもう分かっていた。寒がりの私に上着をくれる為?まさかね。 「どういう性分だったんですかね、“私”は」 今度は意識的に声に出す。どうやら私の中には“誰か”もう一人居るらしいので。ここでは酒は入れられないので届かないだろうが、そいつに聞こえるようにもう一言言ってみた。 「目が覚めたら“シロ”、か、…我ながら(ずる)いもんだよ、なあ?」
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