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目が覚めたら…神
岩の向こうに家があった。
家の前で男が待っていた。
上半身は青く、下半身は白く、背中に0120と書いている。
彼は僕らを見つけて、横に積まれた段ボール箱を指差すと「お届けにあがりましたー!少し早く着いてしまいましたがー」と大声を出しながら近づいてきた。
「あー、すみません!」と父も答える。
まだ家までは20mくらいあるが、他に道も人もいないから分かったのだろう。
トラックが無いところを見ると…の後に続く言葉は考えないことにした。
場所も時代も設定がバラバラだからだ。
父が受取表にサインする。
母は玄関を開けて1つ目の段ボール箱を入れようとしている。
「ありがとうございました」と0120は俺らが来た道に歩き出した。
母は2つ目の段ボール箱を持ち上げていた。
父は3つ目をどれにしようか悩んでいるようだったから、俺は1つ選んで部屋に運び入れた。
段ボール箱は4つだ。
父は残された段ボール箱を持った。
マッキーで『母』と書かれた段ボール箱を母が開けていた。
『おとうさんの』と書かれた段ボール箱を父は部屋に運んで居間に戻ってきた。
間違えた、リビングに戻ってきた。
俺は『むすこ』と書かれた段ボール箱を持ってから聞いた。
「俺の部屋あるの?」
「あるぞ。屋根裏だけど一番広い」と父が4つ目の段ボール箱から出したヤカンを火にかけながら言った。
「階段を登ったところの天井を開けると梯子が降りてくる。そこがお前の部屋だ。一番広いぞー」
なぜ一番広いことを念押すのか。
一番、使い勝手が悪いということなんだろう。
母を見ると暖炉に火を入れていた。
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