1:攫われても腐女子

2/5
219人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
貴族に生まれ変わって前世の記憶を取り戻したのが三歳くらいで、今の両親や兄から見たらそりゃあ変なお子様だっただろうけど、私ったら健気に15歳になる今まで家族を怯えさせないよう離棟の子供部屋に引きこもってたんだ。 いやだって、三歳の娘がいきなり「リアル執事萌え!主人×執事とかたまらん!でもお父様は右じゃね?片眼鏡(モノクル)執事にどつかれるほう側じゃね?ハァハァ!」なんて、流暢にしゃべったらおかしかろ?自重したのだよ自重。自らの鎖として引きこもってたわけだ。外出に制限かけたわけだ。大して困らんけどね。 んで、引きこもってた私はそりゃあ世間知らずな箱入り娘だ。この王国の貴族令嬢なら15歳でデビュタント?だっけ?で、女王に初めて拝謁して王宮の舞踏会に参加する。そんな儀式っつーか通過儀礼ってのを今年はしなきゃいけなかったんだけど、そんなもんエスケープして部屋に閉じこもってたんだ。 まとめるとヒキコオッターフジョシというやつですな。呪文みたーい。 前世でも腐女子で引きこもりついでのアニヲタだったから、今世でも変わらないヒッキー生活を送れて私幸せ。決して不幸じゃないよ。妄想素晴らしいじゃん。 前世だと漫画やアニメから二次創作して作品はネットで公開。時折に同人誌も販売したけど全部ネットから委託販売。通販。快適なインターネット生活で私動かなくていい部屋からでなくていい青春を謳歌してた。 イベントは行ってない。そういうの難しい。だって人と会うでしょ。喋るでしょ。無理むりむりむり無理。コミュ障だから。お母さんとなら喋れたけど。犬のマルともツーカーだったけどな!要は家族なら平気なのだ。お父さん?誰それおいしいの?お母さん残して蒸発した人は知らん。 家族は平気だけど一歩外へ出ればすべての他人が敵に見えた。 おうち帰る。アニメグッズや同人誌をネットで買い漁る。外なんか出なくても腐女子は永遠と腐れるのだ。 まったくもって世間は生きにくい。人が怖いんだから世の中が怖い。外に出れない。ならば部屋から出なければいい。これ真理。 …気づけば、まあ、死んでたわけだけど。 成人は…してたと思う。いつ死んだかの記憶は曖昧なんだよ。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!