校舎裏にて

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校舎裏にて

俺は今、一通の手紙を握り締めて校舎裏に立って居る。 彼女居ない歴=年齢の俺にも、やっと春が訪れようとしている。 今朝、下駄箱に突っ込まれていた手紙には、 「どうしても伝えたい事があるので、放課後校舎裏で待っています。」 とだけ書かれていた。 しかも、差出人は俺がずっと気になっていた同じクラスの姫華(ひめか)ちゃん。 もう、名前からして可愛らしいだろう。 クラスでも狙ってる奴は多いだろう。競争率の高い高嶺の花だ。 新学期、幸運にも席替えで姫華ちゃんの後ろの席になってから、秘かに授業中眺めていたりする。姫華ちゃんは、後ろ姿だって可愛いんだ。 そんな姫華ちゃんからラブレターを貰うなんて、夢のようだ。 俺は舞い上がって、早く放課後にならないかウキウキしながら一日を過ごした。 そして、とうとう放課後を迎えたわけだ。
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