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10月に入ってから親しい親せきが集まって、紗衣の1周忌の法要を執り行った。
お寺で和尚様にお経を読んでいただいてから、紗衣のお墓に行って線香をお供えした。
親せきの人達は僕たち親子のことを心配してくれて、僕は心配してくれる人がいることはありがたいことだと感じていた。
1周忌の法要を終えて自宅に帰って僕がリビングのソファーに座って一休みしていると瑠夏が隣に座って話しかけてきた。
「おとうさんは、おかあさんのお墓の前で何をお祈りしたの?」
この質問に僕は、
「『瑠夏とおとうさんのこと、これからも天国から見守ってほしい!』
とおかあさんにお願いしたよ!」
と話した。
「それより瑠夏は、おかあさんのお墓の前で何をお祈りしたの?」
僕が質問すると瑠夏が、
「『だらしないおとうさんだけど、おかあさんの代わりに私が面倒見るから心配しないで!』
とおかあさんに伝えたよ!」
と言ってきたので僕が、
「何だと~」
と話すと瑠夏は大声で笑いだした。
僕は瑠夏の笑顔を見ながら、
(紗衣、命を助けてくれて本当にありがとう!)
と心の中で紗衣にお礼を言った。
瑠夏と僕は、時間を忘れて紗衣との楽しい思い出話を語り合った。
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